僕は頭を下げたまま、膝を伸ばして立ち上がる。重たい衣擦れの音が、みんながこの短時間で、それでも丹精を込めてこの美しい衣装を作ってくれたことを僕の根幹に知らしめた。隣を見て、弟と視線を交わす。同時に、袖の長い衣装を見せつけるように力強く振ってみせた。雲で覆われた夜だというのに、自分の銀の髪は魔法で照らされて、まるで月の光を浴びている気分になった。 |
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月のない夜だった。 |
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あの時。扉を叩く力強い音を、私は生涯忘れることはないだろう。 |
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最後の杭を打ち込んで、ふう、とひとつ息を吐いた。空を見上げると、西の空が真っ赤に燃えてはいたが、まだ夜までは時間がある。日暮れまでにこっちのテントを張り切れてよかった。 |
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村に訪れる旅の方はみんな、決まって「北の国で、よくこんなに家畜を育てられたね」と驚いた顔をする。北の雄大な自然の中で育った野生動物は獰猛で、魔物が姿を現すこともある。だから、北の国では家畜を育てているところは少ないのだそう。 |
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「素晴らしい酒場があって、いつも魔法使いで賑わっている」と聞けば。「そんな誰もが行くところに行くなんて、個性がなくてつまらないじゃないか」と思うのも、「そんなに賑わっているのなら、どんな素晴らしいところなのかこの目で確かめてみないと」と思うのも、どちらも西の魔法使いだと思う。 |
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命が流れ出していた。 |
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どうして。どうしてこんなことになっている! |
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そのひとが目の前に現れた時、わたし、神様なのかと思ったの。 |
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チレッタがミスラを連れてきたとき、ああ、やられた――と思った。 |
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馬小屋を覗きこんだら狙い通りの顔がいたので、私は思わず胸を撫で下ろしてからその名前を呼んだ。 |
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ひんやり。ひやり。誰も座らないその椅子は、とってもとっても冷たくて、まるでアイスキャンディーのよう。暑い暑い夏の時期、魔法使いが呪文ひとつで、ジュースを凍らせて作ってくれる。 |
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――神よ。 |
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「こんなに美味しい紅茶を淹れてくれるなんて。もしかして君が、僕の花嫁?」 |
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カイン騎士団長が、王族以外の前で膝をつくのを、初めて見た。 |
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あの日。新月の、星々の歌が聞こえてきそうな夜。公務からのお帰りの際、アーサー様が橋を歩いて渡りたいと言った日のことを、私は今でも覚えているのです。 |
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雲のない夕焼けは余すところなく世界を橙色に染めていた。昼間は子ども達の賑やかな声が響く教室も、この時間になればただのひとつの箱のよう。ねじまきが壊れたオルゴール箱みたいに、静かで、さみしい。昼間とがらっと表情が変わるから、毎日のように来ている場所でも、記念日かのように特別な気がしてくる。静寂も、孤独も、高揚も。全部ひっくるめて、この世界は綺麗だった。 |
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目の回りそうな夜だった。 |
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